「目に黒を入れた! 口にも赤を入れてみた!」
「まだイマイチっぽいよ。このまま行くの?」
「いや、もっと調整していくよ。これでそのままとは言わない」
「そうか」
「でも、目と口に色を入れるとそれだけで、見栄えが違ってくるな」
「楽しそうだね」
「楽しい。が、できることは限られている。時間も無いしね」
「電撃ホビーマガジン買ったから?」
「いや、それは関係ない。ほとんどのページは読まないでゴミ箱行き」
「なんでだよ。模型に興味無いのかよ」
「最近思うんだ。模型雑誌の存在意義とはなんぞや」
「情報は欲しいわけだろ?」
「いや。情報を集めなくても、道具とキットはもう手元にあるんだ。あとは作るだけになっているんだ。これ以上の情報って必要なのかな?」
「うーん」
「そもそも、こう作れば上手く行くという情報があると、その通りの手順をこなすルーチンワークになるという問題もあるしな」
「雑誌見る暇があれば手を動かした方がいい、ってことだね」